ここ数年よく思っていることを書きます。
「好きなことを仕事にしよう!!」
っていうのをよく目にします。
そしてその後に来るのは
「起業しようよ!」
みたいな話です。
何かしらの組織の中で
様々なことを我慢して、
色んな人間関係に耐えながら
仕事をしていると
きっとこの言葉はすごく
耳障りの良い言葉なんじゃないかと思います。
だからこそ、
私はこの言葉が嫌いです。
好きなことを仕事にすれば
辛いことはない。
あっても少ない。
もしくは我慢できる。
だって好きなことだもん!
という感じでしょうか。
確かに、そういう部分もあるとは思います。
私はハーブティー専門店をやっていることもあり、
以前はよく
「好きなことを仕事にできていいなぁ」とか
「楽しいでしょ?」
みたいなことを言われていました。
結論だけ言うと、
私は「好きなことを仕事にしている」
と思ったことは一度もありませんし、
「楽しいなぁ」と思って仕事していたことも
一度もありません。
そもそも仕事って何なんでしょうか?
私が今のところ思っている「仕事の定義」は
自分のエネルギーを使って
お金を払ってくれる人に
満足してもらうこと
です。
ですから、
私が考えるべきことは
「お客様に満足してもらうこと」であり、
「私が満足すること」ではないのです。
他のお店ではなく、
私のお店を選んでいただくために、
私はお客様に満足してもらえるものを
作る責任があり、そしてそれだけではなく、
その後も
「これでよかったのだろうか?」
「他には何を望まれているのだろうか?」
「もっと良くするためには?」
と常に考える必要があるのです。
毎日毎日、
プレッシャーに押しつぶされそうで、
お客様の気持ちを知りたくて、
「好きなことしてる!ルンルン!きゃぴ!」とか
全然思えません。
しかし、それでもその中に若干の喜びがあるとすれば、
それはお客様が喜んでくださったこと。
「美味しかったです」とか
「身体が変わりました!」とか
「ハーブティーのイメージが変わりました」とか
そういう風に言っていただけることじゃないかと思います。
「好きなことを仕事にしよう!」なんて言われたら
誰でも「それいいなぁ」って思うと思います。
でもそれには条件があって
お金を払ってくれる人の満足
=自分の満足
が成り立つ場合のみ、
っていうことを忘れてはいけないと思います。
よく考えたら分かることなんですが、
自分が満足したいのであれば
自分がお金を払わなくてはなりません。
満足したいほうがお金を払うんですよ。
よく小学生女子がアイカツ!!とか言って
やっているような、
自分が可愛くキラキラしていれば
みんなが喜ぶ!!
みたいなことって
よっぽど橋本環奈くらいの美人じゃないと
ないと思います。
ですから、
もしも好きなことを仕事にしたい人がいたら
まずは相手の満足が先に来る
ということを忘れないでほしいと思います。
よく、好きなことを仕事にしたら
好きじゃなくなった・・・
というのも聞きますが、
これは結局
相手を満足させるんじゃなくて
自分が満足したいだけだった
っていうことじゃないですかね。
アイドルだって、
キャピってるように見えて、
実際は売れるために嫌な仕事も
たくさんやってると思います。
漫画家だって、
最初から書きたい作品ばかりを
書けたわけではないかもしれません。
好きなことを仕事にするのは
決して自分が一番!
っていう意味ではないと思います。
この内容なら、
相手のためにどれだけでも
自分のエネルギーを割くことができる!!!
そういうものを「好きなこと」と呼ぶのなら
「好きを仕事にする」は
成り立つと思います。
そういう部分を隠して
「好きなことを仕事にしようよ!」と言うのは、
「久しぶりにご飯行こうよ!」と誘ってきた
友達の目的がネットワークの勧誘だった時みたいな
残念さを伴うのでやめてほしいなぁと思います。