ワーキングマザーの悩みといえば、忙しいこと。
毎日、仕事と家事で手が回らない・・という方は多いのではないでしょうか。
たくさんの方とお話しする中でいつも感心するのが、
それだけの仕事と家事をみんな1人でやってるの??ということです。
もちろん、負担にならないのであればよいのですが
それが原因でストレスが溜まっていたり、ゆっくりする時間がなかったり、
あってもほんの少しだったり、睡眠が削られていたり・・・
そしてその結果家族に八つ当たりしたりするのであれば
その負担を軽減する方法を考えたほうが良いと思います。
■家事の負担を軽減するために必要なのは「権限委譲」
この負担を軽減する方法はずばり、権限委譲です。
権限委譲とは・・・
その名の通り、権限をその人に委ねて仕事を任せてみることです。
仕事の現場でいうと、上司が部下に対して業務の権限を与えて
部下の裁量で仕事をさせてみることを言います。
簡単に言えば、
●家事を夫や子供の仕事として分担する
ということになります。
・・・初めから簡単に言えばよかったんですけどね。
しかしここでわざわざ「権限委譲」という言葉を使ったのには理由があります。
■「夫や子供に任せてもどうせちゃんとできない」で終わらせてしまう人の多さ
主婦同士の会話でよく出てくるのがこの「任せてもどうせちゃんとできない」というセリフです。
でもよく考えてみてください。
あなたは夫や子供にちゃんとマニュアルを作って渡したでしょうか?
もしくはそれに準ずる程度の教育をしたでしょうか?
また、その「目的」をしっかりと共有する努力をしたでしょうか?
この家事の最終目的がなんなのか、それがいかに重要なのか、
話し合う時間をとったでしょうか?
もしあなたが職場で、自分が普段やっていない部署の仕事を急に振られて
「いつも見ているから分かるでしょ?」と言われ、
一生懸命やったけど結果的に
「あれも、これも、ちゃんとできてない。
はぁー・・もう、こんなこともできないの?もういい!!」
と言われたら、え?ってなりませんか?
「家事」というカテゴリーに関してはそれが生活の一部であるために、
私たち主婦も、家族も「なんとなく」「暗黙の了解」「わかるはず」
で済ませてしまっていることが多々あります。
■家事の権限委譲に必要な3つの条件
楽になりたいのであれば、仕事を家族に振り分けることが必要です。
さらに、それを気持ちよく、適切に行ってもらうためには以下の3つの条件が必要です。
1,最上位の目的の共有
2,ゴールの明確化
3,マニュアルの共有
この3つが揃っていないと、ただ単に感情的に相手を責めるだけ、相手からうざがられるだけになり、結果として家族は役に立たないといって終わることになります。
■最上位の目的の共有
難しい言い方をしましたが、簡単に言うと
「何のために家事をするのか?」という目的の共有です。
ほとんどの主婦の方は
●家族が心地よく暮らせるように、できるかぎり整理整頓された清潔な状態を作り、明日の生活が滞りなく送れるように抜かりなく整えておくこと
というふうな目的を持っていると思います。
この目的を達成するためにはものすごい労力と作業が必要です。
やってもやってもまた散らかって、また汚れての繰り返しだからです。
こっちはこの目的のために四苦八苦しているのに、
かたや夫や子供はこの目的を共有していません。
そうなると片っ端から散らかして、汚して・・となります。
もし片づけるとしても「お母さんに怒られるから。」「お母さんがうるさいから。」となってしまいます。
「みんなにとってもこの目的は重要だ」ということを理解しておいてもらう必要があります。
■ゴールの明確化
これは、その家事を終了した時にどんな状態になっていればOKかということの明確化です。
例えば、私が息子に「掃除機をかけておいて」と依頼したとして
その後私がチェックした時にまだゴミや汚れが残っていたとします。
その場合、私が「掃除機かけてって言ったのにまだゴミいっぱいあるやん」と言ったとしても、子供からしたら「掃除機かけたよ」となります。
これはある意味正解で、私たちの中では
●掃除機かけて=その空間のゴミや汚れを全て取り除き、散らかっているものは整理収納して心地よい状態を作ること
であるのに対し、子供の中では
●掃除機かけて=掃除機をかける
という公式が成り立っているので当たり前です。
ということは、正解・ゴールつまり
●掃除機かけて=その空間のゴミや汚れを全て取り除き、散らかっているものは整理収納して心地よい状態を作ること
を両者で共有しておく必要があるということです。
これは子供だけでなく、夫も同じだと思います。
またこの「心地よい状態」というのが家族で異なる可能性もあります。
きれい好きな人とそうでない人では、何が心地よいのかが異なります。
これらについて、家族でしっかり話し合って共有していなければそれぞれが一生懸命やっているのに誰も分かってくれない!!という状況が生まれて然りということになります。
■マニュアルの共有
女性によくありがちなのが、
ちゃんと説明も指導もしていないのに「なんで分からないの?!」といって腹を立てることです。
逆の立場だったらぶち切れると思うのですが、
意外と自分ではやってしまいがちです。
夫に関しては、今まで育ってきた環境が違うのだから
感覚が違って当たり前です。
どちらの感覚に合わせるのかも話し合っておく必要がありますが、
自分の感覚に合わせて欲しいのであれば、
しっかりとやり方をシェアすることが必要だと思います。
その際に、今まで出てきた
1,最上位の目的の共有
2,ゴールの明確化
が役に立ってきます。
何のためにこの作業が必要なのか?
最終的にどういう状態を目指してこの作業をしているのか?
ということが分からなければ、作業をする人も困惑します。
■感情だけでは多くのことは解決できない
女性は感情の生き物と言われますから、
「何も言わなくても私の気持ちを分かって欲しい」
「そのくらいいつも一緒にいれば分かるでしょ?!」
となりがちです。
しかし実際の人間って意外と相手の気持ちなんて分からないものです。
自分も、相手から「察してよ」といわれて
「えー、そんなの分かるわけないじゃん」と思ったこともたくさんあると思います。
「言葉」を使って理論的に説明する、目的を共有する、
というのは簡単そうに見えて意外とできていないことではないかと思います。
特に、家庭内では。
家庭内がギスギスしていると何もかもが楽しくありません。
円滑なコミュニケーションはたくさんの問題を解決してくれます。
ぜひ相手に分かりやすい説明を心がけ、自分の仕事を少しずつ家族に委譲できるようにしてみてください。
せめて家事が半分になれば体も心も心底楽になると思います。